Everyday Birthday

2023年2月23日木曜日

さよならヴィータ

 丸まって眠る姿を見るのが一番好きだった。

安心して眠れる場所を作ろうと思った。

いつも不安げな顔をしてるキミに、

大丈夫だよと伝えたくて。


振り返えればそこにいた。

こうゆう顔だとふてくされるキミ。

そんな場所を作ったのは、

本当はキミだったのかもしれない。


『生きる』と決めたキミの名は、

ぼくのココロに向けた言葉。

あれから18年。

ずいぶん年を重ねたものだ。


冷たくなったキミの肉球を握りしめ、

ビロードのようになめらかな

肌の温もりを思い出す。


さよならヴィータ。

ぼくは明日を生きていく。


2018年5月18日金曜日

アニマルコミュニケーションって?


うちのわんこ、どんな気持ちでいるのか知りたいと思う人も多いでしょう。
そんなオーナーさんに変わって、わんこからのメッセージを伝えてくれるという人たちがいます。
なんでもそれは、亡くなったペットでも可能だそうで。

うちの愛犬ジョイエを亡くして約一年ほどが経った頃、妻がいいました。
「ジョイエがどんな気持ちでこの世を去ったのか知りたい。どうしても心残りがある」

正直な所、私はあまり気乗りがしませんでしたが、それで気持ちが楽になるならと、コミュニケーターの方に会いに行きました。

お会いしてジョイエの名前と歳、家での環境などを訊くと、しばらく写真に手をかざしていいました。
「なんだか、この子ピーターパンみたいな感じがするのだけれど」

それまで半信半疑だった私も、思わずはっとしてしまいました。
まるで導かれる様にふらりとうちにやってきて、無邪気な笑顔でベットやドッグランを飛び回る姿は、まさしくピーターパンのようだった!

それから亡くなる時の心境も伝えてくれました。
「ボクそろそろ行ってもいいかな。天国にいってやらなくちゃいけない役目があるんだ」
なんでも、今は亡くなった動物たちを天国まで連れて行くチームのリーダーで大忙しなんだそうです。
それもエレクトリカルパレードのように!

想像すると、なんだかとっても楽しそう。

まるで考えもしなかった話ですが、訊けてよかった。
いつかパレードを見てみたいと願う、親バカな父なのでした。

2017年1月1日日曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

Sei@Wonderlandというサイトで絵本を公開しはじめて
作家の卵となったまま、まもなく20年になります。

そろそろ殻を破って一歩前に踏み出し、
ひよっこぐらいにはなりたいものです。

いろんなアイデアの卵を生み出せるよう、
いっそう創作に励みたいと思いますので、
本年もお引き立てのほど、
どうぞよろしくお願いいたします。

2016年10月7日金曜日

笑ってコラえて

日本テレビ「笑ってコラえて!」のコーナーで、
7年後の成長を追う企画があり、
臨床工学士になったという青年が出演されていました。

彼は生まれつきの心臓病(大血管転位)で、
これまで3度の手術を受ける中で、自分の手術を支えた
人工心肺装置を扱う臨床臨床工学技士になったそうです。

そうか、頑張ってんなぁと感心しながらも、
自分も同じような手術を4度も受けたんだと改めて驚く。

彼は30代、自分は40越え。みんな同じような道を辿るのだと、
戦友のような気持ちで見ていました。

8月のパラリンピックの試合を見たり、選手の話を聞いた時も、
みんな戦ってんだなと感じました。

その姿は本当に格好良かった。

その時だけ、おもむろにジムに通う私。

それぞれ障害や生き方も全然違っていて、どっちが辛いか大変かなんて
比べても何の意味もないなと思う。
障害なくても苦しんでいる人たくさんいるし。

たとえ障害を持って生まれたとしても、みんな工夫して生きてゆける。
障害なんてのは、むしろ社会の方にあるんじゃなかろうか。

青年のご両親がおっしゃいました。
最初に手術を受けて、もう治ったのだと自分に思い込ませていたと。
そのお気持ち、よくわかります。

自分も3度目の手術で完治したと思ってましたが、
4度目の手術を受ける事になって、
結局一生付き合っていかなくちゃいけないんだと悟りました。

けれど、いつまでもそれに捕われていてはいけない。
大切なのは、気持ちの持ちようなのだ。

今ここ、この時、この一生。


まさに「笑ってコラえて」だよ、人生は!

2016年9月12日月曜日

青菜

春風亭一ノ輔師匠が落語の独演会で、『青菜』を演られた。

植木屋が家主に酒や肴をごちそうになり、
家主と奥方が言葉遊びをしてみせる。

うちへ帰ってかみさんと、
友だち相手にそのくだりを真似しようとするが、
しっちゃかめっちゃかになるという笑い話。

じつはこの演目、一ヶ月前に別の寄席で見ていた。

その時は笑福亭たまさんがコテコテの関西ノリで演じ、
古典をそんなにめちゃくちゃにするかってくらいで
大爆笑をさらった。

それがまた、トリの一ノ輔師匠の前席で、
その日の寄席は一ノ輔人気もあって大入りだった。

だからなのか、たまさんはマクラで
「自分が得意な新作演った後に古典聞いて、
やっぱり古典はいいなと思われるとシャクなんで」と、
始めたのだ。

それがあっての今回の一ノ輔師匠の『青菜』。

模範のような一ノ輔師匠と、笑いにどん欲なたまさん。
記憶が鮮明な中の対照だけに、
ひと味もふた味も違う『青菜』を堪能できた。

私的には、クセになりそうなたまさんの『青菜』を、
もう一度味わってみたい。

いやあ、落語って面白いです。

2016年7月28日木曜日

新訳アリとキリギリス

暑い夏のさなか、アリたちは汗水たらしながら、せっせと働いておりました。

「やあ、アリさん。お暑い中、大変ですね」
「そうゆうキリギリスさんも、少しは働いたらどうですか」

「そうですねぇ。でも私にはやりたい事がありましてね」
「やりたいことって、あれでしょ?なんかギーギーうるさいヤツ」

「ええ、バイオリンっていうんですけど」
「バイオ?あれでなんかキレイになるんですか?」
「いやいや、洗剤じゃないんですから」
「じゃあ、なんの役に立つんです?」
「そういわれると、こまっちゃうんですがね」
「働きもせず遊んでばかりで、いい気なもんだ。あとで苦労しますよ」

アリの言葉に肩身の狭い想いを感じながら、
キリギリスは夏の間、ずっとバイオリンの練習をしておりました。

やがて冬になり、寒くて凍えそうな日が続きます。
アリたちは家にこもり、たくわえた食料を食べて暮らしていました。

そこへ、だれかが訪ねてきました。
トン トン トン トン
「すいません」

「だれだい、こんな雪の中にくるのは」
「どうも、アリさん。キリギリスです」
「おや、キリギリスさん。どうかしたんですか」
「ええ。ちょっと聞いてもらいたいことがございまして」
「まあ、ちょうどたいくつしてた所なんだ。どうぞお入り」
「ありがとうございます」

「それで、なにか面白い話でもあるのかい?」
「面白いかどうかわかりませんが、じつは一曲演奏させてもらいたいと思いまして」
「え!?あのギーギーを?ここでやろうっていうんですか?なんの冗談?」
「いえいえ、冗談じゃないんです。
 ずっと練習を重ねてきましたんで、少しはマシになってると思うんですよ」

「それじゃあ、たいくつしのぎに聞かせてもらおうじゃないか」
「ありがとうございます」

さっそくキリギリスさん、バイオリンを肩にのせると、
からだをゆらしながら、ヴィバルディの『四季』を奏でました。

「いやー、たいしたもんだ。いいこころもちになったよ」
「ありがとうございます。代わりといってはなんですが、食事をごちそうになってもよろしいですか」
「どうぞ、どうぞ。食べてって」
「ありがとうございます。しばらくなにも食べてなかったもので」
「そうだ!今度ともだちの結婚式があるんだが、また演奏してもらおうかな」
「よろこんで、演奏させていただきます」

さあ、この話がアリからアリへと連なって、目の回るような忙しさ。

「キリギリスさん、近頃方々飛び回っているそうじゃないか」
「ええ、おかげさまで。もう、キリギリ(きりきり)舞いです」

2016年7月10日日曜日

引き寄せの法則

愛犬ジョイエがなくなってから、
妻はまた犬の里親になりたいと言い始めた。


私としては、まだ5頭もいるのでいいじゃないかとも思うのだが、
彼女は一度思い始めると、やらないと気が済まない。

わざわざ京都の鈴虫寺に行き、祈願までするほどだ。

次飼う時も保護犬と決めていたので、色々な所に申し込みをしたけれど、
条件が厳しかったり、希望者多数で色よい返事はもらえず落ち込んでいた。

これ以上落ち込むと、ちょっとヤバいかなと思い始めた矢先、
急に犬を引き取りに行こうと言い出した。

ある里親募集のサイトから、連絡が来たというのだ。
どんな子かときいても、はっきりした事はなにもわからないという。
ただ、以前の飼い主に声帯を切られて、声が出せない子だとだけ。

そんな子が、里子に出されているとあっては、
放っておく気にはなれなかった。
自分も以前入院をした時、気管支を切開して呼吸器をつけ、
ずっとしゃべれない状態の時があった。

声を出せない辛さが痛いほどわかったからだ。

いわれるまま逢いに行き、事情を聞くと、
元の飼い主が痴呆症になってしまって、知り合いが預かった子を、
それまたその方に預けたまま、飼い主と連絡がつかず
自分も飼えないので困っているという。

それならと、うちで面倒を見る事に決めた。

そののち、妻に聞いたサイトを見ていたら、
その子とそっくりの子が掲載されていた。

あれ?
写真も事情も書いてなかったといったけど、
しっかり載っているじゃないか。

ふしぎに思って妻に尋ねると、その人じゃないという。
しかも、その人には里親が見つかったと断られたというのだ。
しかし写真も以前の名前も、確実にその子だった。

恐るべき妻の引き寄せ力!

そしていったいこの子に、なにがあったのか。。。
なにはともあれ、彼女の望みは、お地蔵さんに聞き入れられた。

望みというのは因果なもので、叶わないと余計にストレスになる。
けれども望みとは、自分の希望通りとはいかないが、
かならず叶えられる。
そして、それには条件がある。

願うと共に、それに向かって一心に励むこと。

ぼくはこの子に、Almo(アルモ)と名づけた。
イタリア語で、”天の恵み”という意味を込めて。

2016年5月3日火曜日

心臓を元気に保つ方法

ある情報番組で、血管年齢を若返らせるという特集をしていました。
その中で、心臓を元気に保つ方法というのがあったのです。

心臓の手術を受けたばかりのボクは、興味津々。
その方法とは!




『家事をする時、余分に動く』

ですって。。。

それを聞いた妻は、大喜び。
「ほらね。アナタの事を思って、家事をまかせてるの」

はい。
ありがたくやらせていただきますorz

2016年5月2日月曜日

わらじ地蔵

京都嵐山にある華厳寺。
一年中鈴虫を育てていて、参拝者に鳴き声を聞かせているので、
『鈴虫寺』と呼ばれ親しまれています。

こちらに奉られているお地蔵さん。
お地蔵さんにはめずらしく、ワラジを履いているので、
一軒一軒廻って願いを叶えに来てくれるというお話です。

初めてこの寺を訪れたのは、結婚してしばらく経った頃。
当時、ボクら夫婦は子どもが授かりますようにとお願いをしました。

ほどなくして、我が家に一匹のイヌがやってきました。
道をうろついていた所を保護され、頼まれてうちで預かる事になったのです。

しばらく飼い主を捜しましたが見つからず、うちで育てる事にしました。
そのうちに、まるで子どものような存在になり、ふと思ったのです。

もしかして、あのお地蔵さんが連れてきたのでは?

子どもが欲しいという願いは、叶えられませんでした。
でも、子どものような存在はできました。
その方が、きっと良かったんだと思います。

ボクら夫婦の願いは、聞き入れられたのです。

それから6年、楽しい思い出をいっぱい残して、
あの子は天に戻ってゆきました。

ボクらは再び鈴虫寺を訪れて、お礼をいうとともに、
新しい願い事をしてきました。

はてさて、今度はどんな風に願いを叶えてくれるのでしょうか。

2016年3月26日土曜日

宝くじ当たった

宝くじがよく当たるという神社で祈願してきたという話を、
寿司屋のカウンター越しに並んだ方から聞いた事がありました。

神社に行った帰りにスクラッチくじ引いたら、
当たったっていうんです。

それがずっと気になっていて、
いつか行ってみようと思っていました。

年始早々、辛い思いをしたものだから、
ひょっとしてご利益あるんじゃないかと宝くじを買いました。

ついでに神社も探してご祈祷に行き、
そこで宝くじを入れる桐の箱なんてものも買って、
風水で金運のやってくるという西の方角にしまって置きました。

そしたら本当に当たったんです!
5等!


まあ、300円なんですけど。
連番なので、絶対当たるんですけどね。。。


ちなみに桐の箱は3000円でした。

こうゆう時は寄付したと思う事にしましょう。
そもそも宝くじはマザーテレサが、
寄付集めのために思いついたって話ですから。

そんな話を妻にすると、こう言われました。

「あんた、今生きてるだけで充分運使ってるでしょ」


ごもっともです。
欲をかいちゃあ、いけませんな。

2016年2月20日土曜日

ありがとう

おかげさまで、心臓の手術も無事に終わり、
退院することができました。

約14時間という長いオペになりましたが、
その後の回復の早さに自分でも驚いています。

医師や病院の皆様、支えてくれた家族に、本当に感謝しています。

けれども入院の間に、哀しい別れもありました。

かわいがっていた愛犬のジョイエが、先に逝ってしまったのです。

ガンが見つかってから、約2ヶ月。
あっという間でしたが、治療を繰り返しながら
彼は最期までがんばりました。

退院したら、また一緒にお散歩しようと言っていたのに、
その願いは叶えられませんでした。

ちゃんとおくれなかったせいか、喪失感があまりありません。
家にいると、今でも部屋にいるような気がしてしまいます。
きっと姿は見えずとも、そばにいるのだと思います。

寂しいけれど、ぼくの心には感謝しかありません。
うちに来てくれて、歓びを与えてくれて、本当にありがとう。

手術後、意識がもうろうとしている時に、
目の前に蓮の花に乗った観音様が現れました。
そしてぼくの枕元に、お札を置いていったのです。

何度も生死をさまよってきましたが、こんな事は始めてでした。

ぼくは再び、命を与えられたようです。
辛い事も多いけど、その分感じる歓びもたくさんある。

与えれた時間を大切に生きていこう。

またジョイエに逢える日を愉しみにしながら。

2016年1月10日日曜日

おかげ参り

新年あけましておめでとうございます。

来週から心臓の手術のため入院することに決まっていて、
あまり晴れ晴れした気持ちになれません。

それでも、今年は申年。
病や心配事はサルといいます。

ここは落語の「猿後家」でも聞きながら、
笑って過ごしたいと思います。

2ヶ月ほど前から会社もお休みをいただいたので、
やりたい事をいろいろやっておこうと過ごしてきました。

その中で、お伊勢参りに行って、
手術の成功を祈りたいと思っていたのですが、
なかなか腰があがらず、結局行けずじまい。

けれども、本来お伊勢参りはおかげ参りと言って、
願いを叶えるのではなく
日頃の感謝をお伝えしにいくモノだそうです。

死ぬ前にしたい10のことより、
生きてしたい10のことを考えよう。

なんとか手術が成功して、おかげ参りに行けるよう
リハビリもがんばろうと思います。

みなさんにも、良きご猿(縁)が訪れますように。

2015年12月14日月曜日

わんこと、わたしと、いきること

どんなヒトにも、どんなイヌにも、
しっぽをちぎれるくらいに振り回し、
笑顔を振りまく、うちのわんこ。

名前はジョイエ。
イタリア語で『愉しみ』『歓び』といった意味があり、
その名の通りだとみんなに可愛がられている。

そもそもこの子は迷子犬。
ふらふらと歩いているのを保護されて、
私たち夫婦のもとにやってきた。

それ以降、この子と散歩をするたびに、
『自分は生きているのだな。うれしいな』と
彼はわたしに、生きている歓びを教えてくれた。

そんなジョイエに、まさかの出来事。



ガンになっちゃった。。。


血管腫瘍の可能性があり、再発の可能性も高いというのだ。

自分もこれから心臓の手術を受けるというのに、
なんてことだ。
また散歩に行けるよう、リハビリに励もうと思っているのに。
なんとか長生きしておくれよー。


自分の死を想うよりも辛い。

神様って、いけずだ。

いったいどうしたら、これを歓びに変えられるだろうか。
そうやって、またオレを試してんのか??
ありがたいこっちゃ。

とにかく今は、手術を乗り切るしかない。

絶対、一緒に生き抜こうね。
それからいっぱい、いっぱいお散歩行こう。


2015年11月12日木曜日

キャリーオーバー発生中!

余命1ヶ月と告げられたら、あなたはなにをしたいですか。

医者のいうことは、だいたい厳しめなのだと思う。
余命1年と言われて半年よりも、
3ヶ月と言われて1年持った方がうれしいじゃない。

希望は医師ではなく、自分の意志で発するもの。

僕自身、生まれつきの心臓病で、余命3ヶ月と告げられながら、
かれこれ40年以上生きている。
今でも医者に言われます。
「よく生きてこれたね」

ええ、おかげさまで。
「モテキ」はなかったけれど「キセキ」はあったようです。
もはや人生のキャリーオーバー発生中なのだ。

もしかしたら、あなたも発生してるのかもよ?

1ヶ月後また、何度目かの抽選日を迎える事になった
医者はまた、厳しめの事を言う。

今のうちにやりたいことをやろうと、あれこれ考えているのだが、
結局おだやかに暮らしていければ、それでいいのかもしれない。

むしろ、さらなるキャリーオーバーを願って、
その後の人生を考えている方が、楽しいじゃないか。

アノお笑い芸人も言っていた。
生きてるだけで、丸儲け。

来年の立川志の輔の独演会を愉しみに、手術にのぞもう。

2015年6月19日金曜日

励ましの言葉

人を励ます時に、どんな言葉をかけますか?
やっぱり「がんばれ」ですか?

でも、頑張りたくても頑張れない時もある。
頑張っても結果がでない時だってある。
あるいは、頑張りすぎて苦しんでいるのかも知れない。

「がんばれ」という言葉は、受け取り方によっては、
突き放したような印象を受けます。

時には「がんばったね」とか「ひとりでがんばらくてもいいんだよ」と
言ってあげた方が良い時もあります。

「がんばれ」に代わる言葉はないものかと思い続けていました。
そして、ようやくひとつ答えが見つかりました。

『天皇の料理番』というドラマの中の台詞。
日本一の料理人になるとのたまうふらちな弟に、
結核で病床についている兄が、彼を信じてかけた一言。

「励めよ」

物語の良さと、鈴木亮平さんの演技もあって、
ぐっと慈愛に満ちた言葉に聞こえたのです。

「励めよ」という言葉には、相手のがんばりを讃える様な印象があります。
そしてさらなる精進を願う、まさしく励ましの言葉です。


一生懸命やっている人には、こんな言葉をかけてあげたいと思います。

2015年2月24日火曜日

じんましん騒動

先日レストランで豚づくしのディナーを食べていた時のこと。
どうにも体がむずがゆい。

パッと腕を見ると、蚊に刺された跡のような水ぶくれが一面にある。
わぁ、じんましんだ。

豚のアレルギーはないはずだし、いったい何が悪かったのか。
その後しばらくすると引いていったので、ほうっておいた。

ところが翌日になって、風呂につかるなりみるみる体がかゆくなり、
再びじんましんが現れた。
心配になったので、一度病院で見てもらうことにした。

病院に行き、これこれしかじかと病状を告げる。

「まあ、アレルギーと言っても色々あるし、豚だけ食べた訳じゃないでしょう」
「そうですね」

「あなた花粉症ではない?」
「はあ、朝ちょっとくしゃみが続きましたが、違うと思います」

「私は花粉症でねぇ、今日も朝からツラくてしょうがない」
「それは大変ですね」
テーブルにも、のど飴の袋が開けてある。

「大学の時からだから、スキージャンプの葛西がオリンピック出る前からですよ」
「ほお、それじゃあ花粉症のレジェンドですね(笑)」

言ってる場合かっ!

あなた医者なんだから、もっと早くに対策すればいいじゃないの。。。

「それじゃあ、抗ヒスタミン剤出しておきますよ。
アレグラってえの。眠くなりにくいから」
「アレグラですか?」
「そう、CMでやってるやつ」

へぇ、ほんとに眠くなりにくいんだぁ。


あれ?

それって、結局花粉症の薬じゃないの??

「あのぉ、気になるんで、アレルギーテストもしてもらっていいですか?」
そうお願いをして、採血をとって後日結果を待つ事に。

その足で薬局に薬をもらいに行くと、薬剤師さんが言った。

「花粉症ですか?」

2015年2月18日水曜日

料理の哲人


ひいきにしているレストランが、とても面白い企画をやると聞き、
さっそく予約を入れた。

昔のテレビ番組『料理の鉄人』さながらに、イタリアン、中華、フレンチのシェフが、
ひとつの食材をテーマにコース料理を組み立てるという。

そして今回の食材は、長野のブランド豚『千代幻豚』

週に30頭程度しか出荷されないという、生産者こだわりの貴重な豚だ。
シェフ達がこの豚に惚れ込んで意気投合し、この企画が生まれたらしい。
それを耳の先から足の先まで使い、前菜からメインまで豚づくし!

もはや、食べる前から「おいしゅうございます」といってしまいそうになる。

前菜は伊、仏、中の3種。
フレンチのシェフは、耳と顔のお肉をケークサレにし、ハムを添える。
イタリアンのシェフは、肩肉を肉厚のサラミに。

中華のシェフはバラ肉をシンプルに蒸し、スパイシーなソースをかけ、
スライスしたキュウリと大根を包みこむ。
さらっとした豚の脂と甘みで、肉質が良くポテンシャルの高さをうかがわせる。

そんな具合に中華スープ、イタリアンのパスタ、フレンチのメインと料理が続く。

一番驚いたのが、豚足を使ったパスタ。
パスタといっても平打ちのショートパスタで、肉のミンチの方が多いくらい。

正直、豚足は苦手なのだが、恐る恐る口に運んでみる。
すると、豚の野性的な香りがスパイスと香草のしげる草原を、
だだだっと駆け巡っていった。
ひと匙ごとにクセになる味。なんでも調理の仕方次第なのだ。

メインは豚の肩ロースで鶏を包んで煮込み、酸味を利かせたソースをまとわせる。
下には紫芋のマッシュポテトがしかれていて、なめらかな舌触りに。

また、その向き合い方にも個性が表れる。

中華はとっても優しい味わいであったかいし、
イタリアンはガツンと食材の旨味を堪能させてくれる。
そしてフレンチはとても巧妙に、味のマリアージュで新たな世界を提案する。

こうして丸ごと一頭、お千代さんを頂いたわけだ。

生産者さん、シェフ、そして何よりお千代さん!
みんなが命を捧げてくださっている。
それを美味しく頂けるのもまた、ありがたい。
(ホントは塩分を控えなくてはいけないのだが。。。)

たった一度の食事で、すべてに感謝できた一日。

ごちそうさまでした。

2014年10月16日木曜日

おじさんおばさん

温泉でも入って英気を養おうと、四日市のアクアイグニスへ向かいました。

おいしい食事に、念願のフォルテシモアッシュの辻口さんのケーキ『セラヴィ』。
お腹もココロも満たされて、いざ入浴!

まるで美術館のようなエントランスに目を奪われつつ、
脱衣所へ向かうのれんをくぐろうとした、その時でした。

後ろから仲居さんに呼び止められました。

「女湯でしたら、こちらですよ」

振り返っても仲居さんは親切心満載の笑顔。

「あ、ぼくオトコです。。。」

まぁ、女湯入っていいなら、入っちゃいますけど?

女性に間違えられたのはこれで2度目だ。

妻とあるお宅へ訪問した所、『お母さんですか』と尋ねられた。
複雑〜。

まずお母さんほど妻と年離れてないし、
そもそも男だし。

なにひとつ合ってませんよ?

そういえば、レジのおばさんに声かけた瞬間、
女性だと思ってたらしく、驚かれた事もあった。

ぜんぜん男の格好してるし、おねぇ言葉も使ってませんよ?

なんなんでしょうね。
髪型?
まあ、中年のおばさんのショートヘアぐらいの長さですが。

体型?
まあ、入院中に痩せて、痩せ型の女性くらいの体重で華奢ですが。

猫背?
まあ、杖ついて歩いてるんで、中高年みたいな歩き方してますが。

顔立ち?
まあ、色白いし優しい顔立ちと言われますが。

どうも、私がおばさんみたいなおじさんです。


2014年9月24日水曜日

曲がり角の先に


4月19日の朝、急に呼吸が苦しくなって緊急入院。
原因は急性の心不全。
翌日の深夜になって容態が急変した。

そこから約一ヶ月半をICU(集中治療室)で過ごし、
7月末にようやく退院。

ICUに入った事も、そこから2週間ほどの記憶もまったくない。
どうやら三途の川の手前まで行き、呼び戻されたようだ。

その間の家族や友人の気持ちは、どれほど苦しかったか。
それを知る事ができたのも、今こうして生きているからだ。

たとえ良くなっても、車いすや呼吸器をつけての生活かと、
嘆いた日もあったけれど、気管切開と右足の麻痺だけで
なんとか歩いて退院できたのは、奇跡的です。

これまでずっと、いつ死んでもいいと覚悟を決めて生きてきた。
けれどもそれは間違いだった事に気づいた。

ぼくがしなければいけないのは、それでも生きていくという覚悟だった。

もしも家族や友人、あるいは同じ心疾患で苦しむ子どもたちに
ポジティブな影響を与えられるなら、
それでも生き抜いてみせることだと思う。

入院中の唯一の楽しみは、朝の連続テレビ小説「花子とアン」だった。
赤毛のアンは物語の中で、こう言った。

「曲がり角を曲がった先に、なにがあるのかはわからないの。
でもきっと一番良いものにちがいないと思うの」

ぼくもまた、何度めかの曲がり角に来たようだ。
みんなに助けられた命に感謝して、歩んでいこう。
自分の生命力を信じて。