Everyday Birthday: 4月 2013

2013年4月21日日曜日

子どもの本ってなんだ?


ぼくの描いた絵本を人に読んでもらうと、
大人向けだねって言われる事がしばしばあります。

そう言われる度に、子どもの絵本ってなんだろうなと
悩んでいました。

ぼくは子どもを子ども扱いしたくないんです。
自分もそうして接してもらえる方が嬉しかった。

たしかにちょっと大人っぽい表現もあるし、
幼児向けではありませんが、
こどもでもわかりやすいような言葉を選んでいるつもりです。

これってどうゆう意味だろうと考えるのも
成長するために大切な要素だと思ってます。

今日は子どもの本の専門店「メリーゴーランド」の主催で、
作家の江國香織さんのレクチャーを聞いてきました。

彼女の描いたり翻訳する絵本も、わりと大人っぽいと思いますが、
やはりそこは編集の方とよく戦っているそうです。

わからないまま言葉を憶えたり、感じたりするものだと言っていました。
簡単に「やさしい」とか、「こころ」とか使ってはいけない。
物語を読んで初めて気づく事が大事。

こうゆう言葉もあるよと知ってほしい。

その思いにはすごく共感できました。

本は心のセーフティーネットである。
安全に旅ができる。
だからこそ、ダークサイドも描かなくちゃいけないと
考えておられました。

冒頭で、主催の方はこんな事をいいました。

絵本の読み聞かせが蔓延していて、
逆によくないんじゃないかと最近思うようになった。
本は本来自分で読むもの。
読み聞かせもコミュニケーションとしてはいいけれど、
やっぱり自分で読むようになってほしい。

このレクチャーのおかげで、少し迷いが晴れたような気がします。

2013年4月20日土曜日

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自分はつくづくつまらないオトコだと思った。

定期検診のため病院に行き、名前を呼ばれたので病室に向かった。
すると、待合室の方から呼びかけられるような声が聞こえた。

気のせいだと思ったのだけど、診察を終えて病室を出ると、
女の子を抱えたお母さんが声をかけてきた。

「覚えてませんか?」

あー、覚えてないですねぇ」

「この子に絵本を頂いたんですよ」

そう言われて、思い出した事がある。
以前入院していた時に、同じく入院していた女の子に絵本をあげたのだ。
もっと言えば、初めてサインをしたのもこの時だった。

「そうだ、あの時の!覚えてますよ!」

なんでそんな気の利いた言葉が出てこなかったんだ。

せっかく好意をもって声をかけてくれたのに、
あまりにそっけなさすぎ。

こいつは大失態。

「元気になってよかったねー!」
そんな明るい言葉もかけられなかった。

普通ファンでも、覚えてないなんて言われたら
キライになっちゃいますよね。

なんなら絵本も捨てちゃいますよ。

結局たいした会話もできず、その場を離れてしまった。
もっとウィットに飛んだ話ができたらよかったのに。

自分はこういう子を歓ばすために絵本を描いているんじゃないのか?

いまさら反省しても遅いです。。。

哀しい思いさせてしまって、ごめんなさい。

でも元気な姿が見られてホントに良かった。