いせひでこさんの絵本に、『ルリユールおじさん』というのがあります。
ルリユールとは、ヨーロッパの伝統工芸で、製本をおこなう技術。
絵本の中では、少女が大事にしていた植物図鑑が
こわれてしまって、町でであったおじさんが、
もう一度本に仕立ててゆく様子が描かれています。
ぼくの好きな絵本のひとつです。
近頃は、電子書籍の話題にとても感心があります。
まだまだ弊害が多くて普及には至っていませんが、
CDを買う時代から、ダウンロードに変わったように、
この流れは止められない気がします。
図書館では、すでに過去の本の電子化が進んでいます。
そうすれば、大量の蔵書も必要なくなりますし、痛みませんから。
では、紙の本は無くなってしまうのでしょうか。
ぼくは逆に、紙の本は今よりもっと貴重な物になると思っています。
部数も減って単価が高くなるので、読む以外の付加価値が求められる。
読者としては、内容が読めればそれで良い。
作家としても、作品を読んでもらえればそれで良い。
けれど本という形で残るのは、また違った歓びがあるものです。
もしかしたら、ルリユールという技術も、見直されるのかも知れませんね。
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